シン・ニホンシ

日本の歴史を新しい視点でとらえ、検証し、新しい未来を考える

37.第一次世界大戦中の混乱を利用した日本

第一次世界大戦が勃発、日本も日英同盟を理由に参戦する。混乱を利用し、ドイツの既得権益を継承しようとする。結果、中国国民の反発を招き、ヨーロッパ諸国からの警戒心も強まる。
目次
・ヨーロッパの火薬庫、バルカン半島での対立
三国同盟三国協商
サライェボ事件を機に第一次世界大戦が勃発
・新兵器の登場で大きく変わった戦争

■ヨーロッパの火薬庫、バルカン半島での対立
19世紀後半、度重なる戦争でオスマン帝国が弱体化し、民族主義思想が浸透してくると諸民族が独立した。もともと民族が入り乱れた地域であり、周辺各国の利害関係から何度も戦争を繰り返す、「ヨーロッパの火薬庫」となっていた。日露戦争で敗れたロシアは、進出先を極東からバルカン半島へと戦略変更した。

三国同盟三国協商
三国同盟」と「三国協商」がある。
三国同盟はドイツ、オーストリア、イタリアの同盟関係。開戦後はオスマン帝国も加わった。ドイツは政策上、イギリス、フランス、ロシアと敵対していた。これに対抗するため、もともとドイツと同盟関係のあったオーストリアにイタリアが加わったものが三国同盟である。開戦後にはオスマン帝国三国同盟側に付いた。
三国協商はイギリス、フランス、ロシアの協商関係。ドイツ、オーストリアを共通の敵ととらえているイギリス、フランス、ロシアが築いた協商関係。

サライェボ事件を機に第一次世界大戦が勃発
1914年、セルビア人にオーストリア帝位継承者がサライェボで暗殺された事件。ドイツ、オーストリアオスマン帝国ブルガリアの4か国と、イギリス、フランス、ロシアなどの協商側27か国が戦う。領土問題でオーストリアと対立するイタリアは協商側として参戦した。日本はドイツの権益を奪うチャンスと見て、日英同盟を口実に協商側として参戦した。ヨーロッパでの戦争であったが、日本はドイツが持つ山東半島南洋諸島などドイツがアジアに持つ植民地を占領。またさらなる利権拡大のため、1915年に中国・袁世凱政府に対し対華21カ条要求を示した。結果、要求の大部分を認められたが、
中国での排日活動が起きたり、ヨーロッパ諸国からの警戒心が強まることになった。日本は次第に孤立していくことになる。

■新兵器の登場で大きく変わった戦争
 第一次世界大戦での戦死者は多く、900万人に上った。ドイツが177万人以上、ロシアが約170万、フランスが136万。新兵器として潜水艦、航空機、毒ガスなども利用された。

<参考>
・改訂版 中学校の歴史が1冊でしっかりわかる本
三国同盟 (1882年) - Wikipedia
対華21カ条要求 - Wikipedia
二十一か条の要求を簡単にわかりやすく解説するよ【内容・理由とその後の日中関係を確認しよう!】 | まなれきドットコム
第一次世界大戦中のイタリアはどのような動きをしていたの? | 生徒の広場 | 浜島書店