象徴天皇制や、神道指令などにより「日本人」としてまとまる力を失ってく。どのようなことが起きていたか。次の流れでみていく。
・天皇の人間宣言
・神道指令
・戦後の「日本の紙幣」
・日本の問題点
■天皇の人間宣言
GHQは1945年10月、憲法改正を指示した。政府は案を出した。しかしその内容は天皇主権のままであったなど、これまでと変わりがなかった。そこでGHQは独自の案(草案)を作成し、政府に提示した。この草案を元とし、政府が改正案をまとめていった。
1946年1月からは天皇から「人間宣言」が出された。 これにより現御神(あきつみかみ)としての天皇の神格を否定しました。そして天皇は、国と日本国民統合の「象徴」となった。象徴天皇制が採用されたことになる。1946年4月には戦後初の衆議院議員選挙による国会が成立した。
■神道指令
1945年12月15日にGHQが日本政府に対して発した覚書の通称。 GHQは神社・神道が軍国主義、天皇崇拝の思想的基盤となっていると考えた。神道指令を出し、政府の支援や監督を禁じた。これにより国家と神道が切り離され(政教分離)、国家神道が解体された。これは「祭政一致」が法的に禁止されたことを意味する。
なお、覚書では
・信教の自由の確立
・軍国主義の排除
・国家神道を廃止
・神祇院を解体
の内容を含む
■戦後の「日本の紙幣」
「日本の紙幣」で過去の紙幣に誰が採用されているかが示されている。この書籍によれば、GHQによる占領政策以降、神話を感じさせる人物の肖像画、例えばヤマトタケル(※)など「神話」を彷彿させるような人物の採用が行われなくなっているとされる。神話の意義は歴史」でもあるし、「ナショナリズム」「まとまる力」でもある。※ただし、日本武尊は1945年採用、その直後、変更される。
■日本の問題点
教科書改訂により歴史観の削除(主体や、ストーリーを失わせる)や神話の削除、象徴天皇制への移行など、精神的なよりどころを失ってしまった。これが、求心力を失せた。このことがその後の日本を現代に至るまで、ゆがんだ社会にしてしまった根本原因ではないか。
<参考>
・ハンドブック 日本史の要点整理
・使える日本史
・改訂版 中学校の歴史が1冊でしっかりわかる本
・東久邇宮稔彦王 - Wikipedia
・人間宣言 - Wikipedia
・現人神 - Wikipedia
・象徴天皇制 - Wikipedia
・日本国憲法前文 - Wikipedia
・概説[第3章 GHQ草案と日本政府の対応] | 日本国憲法の誕生
・日本国憲法は誰が作ったのか? | 日本の歴史を分かりやすく解説!!
・チャールズ・L・ケーディス - Wikipedia
・松本烝治 - Wikipedia
・神道指令 - Wikipedia
・祭政一致 - Wikipedia
・独立行政法人 国立印刷局 - お札の歴史