シン・ニホンシ

日本の歴史を新しい視点でとらえ、検証し、新しい未来を考える

120.文明の出発地から終着地へ~中東の地より太陽が昇る東の国へと至る3つのルート~

現代文明の出発地は中東の地メソポタミア。そして終着地点は太陽が昇る国、日本となる。どの文明で、どのような思想が発達したのだろう。そしてどうやって日本に伝わってきたのだろう。主に文明、神話、思想、ルートの観点から総括した。

■出発地・メソポタミアシュメール人
現代文明は中東の地。チグリス川とユーフラテス川の河の間のはざま、メソポタミアから出発した。楔形文字を発明、ギルガメシュ叙事詩を残した。多くはシュメール人によって文明が築かれた。

ギリシャ:ゼウス
3700年前~3800年前頃にゼウスが出た。数々の活躍、エピソードはストーリーテラーによってギリシャ神話として語り継がれた。また紀元前5世紀~紀元前4世紀頃に古代ギリシャの哲学者としてソクラテスプラトンアリストテレスらが出て何を考えるか、問うことそのものが智慧であり、また生きることであると示した。

■エジプト:モーゼ
エジプトでは3200年前~3300年前にモーゼが出た。モーセは神より十戒を授かった。イスラエル民族を率いてエジプトを出た。約束の地カナン(パレスチナ)へと到達した。その伝説や教えは旧約聖書となった。

■中国・孔子、インド・釈迦
中国では2500年前に孔子が出た。優れた弟子たちはのちに孔門十哲と呼ばれたという。儒教ができた。その後、同時代に諸子百家というさまざまな思想が出た。神秘的思想の道教も起こった。インドでは2500年前に釈迦が出た。その教えは10大弟子の活躍により広まった。仏教ができた。釈迦も孔子も同じ東洋で、同時期に生まれた。

イスラエル:イエスキリスト
イスラエルで約2000年前、イエス・キリストが出た。数々の奇跡と教えを起こした。12使徒パウロの活躍によって教えは広まり、聖書として残った。その教えは新約聖書となった。

サウジアラビアマホメット、日本:稗田阿礼
約1,450年前(610年頃)サウジアラビアマホメットが出て、コーランが生まれた。日本では約2,800年前に天之御中主が九州・高千穂峰に生まれ建国、日本の祖を築いた。卑弥呼・台与らによって邪馬台国(やまとのくに、大和朝廷)を築き、また中国との朝貢によって外交を確立。日本武尊が東征、新大和朝廷の基礎をつくり、のちに近畿に遷都された。聖徳太子が574年に生まれ法家の思想も取り入れながら日本の国家体制を整えた。日本における神話は稗田阿礼太安万侶とともに712年に古事記として完成させた。

続いて、文明の拡散や融合をもたらした大きな出来事を2つ記す。

マケドニアアレクサンドロス大王
マケドニアアレクサンドロス大王が前334年に東方遠征を開始し、インドの一部にまで到達した。これによりギリシア文化とオリエント文化の融合を起こした。

古代イスラエル王国の崩壊とユダヤ人のディアスポラ
前722年-720年にイスラエル王国アッシリアに敗北、10部族が追放された。前586年にはユダ王国バビロニアに征服され、バビロン捕囚が起こった。このイスラエル王国と2つのユダヤ戦争の敗北を通して古代のユダヤ人は故郷を失った。さまざまな国へと離散した。民族の一部は陸続きの日が昇る国を目指し、東方へと進んだ。
各地域で発達した文明や思想はどのようなルートで日本に届いただろうか。

■3つのルート
中国・唐の文明が栄えた。商業が発達、陸路にてさまざまな国を経由し、発達した。人々のモノの交流を通じ、最終地として日本へとモノや思想がもたらされた。また、大航海時代にはキリスト教布教も伴い航路が発達、主に科学技術が日本に到達した。

ルートの1つめ:シルクロード経由。ヒマラヤ山脈の上側を通り、シルクロードにて敦煌長安などを通じて洛陽へと運ばれた。そのほかインドを経由しヘレニズム文化はインド発祥の仏教と融合、ガンダーラ美術(パキスタン)などとなって日本にも到達。飛鳥時代には白鳳文化として影響を与えた。

ルートの2つめ:中央アジア経由。カザフスタンなどを通じて、騎馬民族が草原の道を使い、モンゴルなどを通って中国へと進んだ。

ルートの3つめ:海路。ローマ、大航海時代を経て、西洋のキリスト教文化が日本へと伝わった。イベリア半島喜望峰マラッカ海峡などを通るルート。

ここに神道八百万の神、自然と一体となったアニミズム信仰の国に対して、景教(原始キリスト教)、儒教諸子百家、仏教、キリスト教が辿り着く。なぜこれほどまでに日本へと様々な思想・学びが集結するのだろうか。偶然だろうか、それとも計画されたものなのだろうか?

■豆知識
一説によれば奈良・東大寺二月堂「お水」取りのルーツは古代インド・サンスクリットからゾロアスター教の影響を受けているという。

<参考>
源流はなんと古代イランのゾロアスター教!奈良・東大寺二月堂「お水取り」の謎に迫る(2) | サライ.jp|小学館の雑誌『サライ』公式サイト