シン・ニホンシ

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175.魏志倭人伝と卑弥呼の時代:倭国大乱と人物関係編

卑弥呼の遣使によって中国の史書に記録が残っている。今回は魏志倭人伝の内容をベース、そのほかの知見をふまえながら当時の倭国の様子、倭国大乱、そして天皇系図に登場する人物と関連を検証していく。
注:魏志倭人伝など中国の史書は古く、また他国の人の見方で書いており、全てが正しいとは限らない。

■一大率(いちだいそつ)
邪馬台国(熊本付近)より以北に「一大率」が置かれ他国を監視しているとされる。一大率は官名(役職の名称)と考えられている。常に伊都国(福岡県糸島市付近)に設置されていた。北方から、特に他国からの侵入を警戒するためと考えられる。

■刺史(しし)
国中には刺史のよう地方官のような政治をみる役割の者が置かれているとされる。中国では前漢の時代、紀元前106年頃より始まっていた官職名。

■遣使の役割
女王は使者を派遣して京都(洛陽)、帯方郡、諸韓国を訪問したり、帯方郡から倭国へと使者を送る際は津(港)で届いた文書や物品を検品して女王に届けたとされる。

■従者たち
千人の女性を周りに従えていた。女性を政治の人材として積極的に登用した。そのような中に一人だけ男性がいる。飲食の場に従ったり、伝言を取り持っていた。

■道でのすれ違い
一般人が有力者とすれ違うとき、一般人が道を譲り、草むらの中に入った。

倭国大乱とは
倭国ではもともと男子を王としていた。その状態が7、80年続いたところで、倭国は乱れた。そして互いに攻撃し討伐することが何年も続いた。
倭国大乱の発生時期は梁書では霊帝の光和年間(178年 – 184年)とされている。 

卑弥呼の即位
そこで国々は共同で一人の女子を王とした。その名は卑弥呼(日向のこと。卑弥呼は当て字)である。卑弥呼が女王になる段階で邪馬台国は当時30ぐらいの国々を従えるぐらいの勢力であったとされる。なお卑弥呼の即位前の時点で高千穂国(天之御中主や天照が建国)は既に弱小国になっていたとされる。

卑弥呼の能力
鬼道が巧みであった。この鬼道とは、天照大神など高次元の存在からのメッセージを受け取り、神政を行っていたと考えられる。

卑弥呼の家族
夫はいなかった。弟の大日之命がいた。血統が重んじられており、血族婚も多かった。弟が実質的な夫であった。母は桃日(ももひ)とされる。

景行天皇日本武尊
卑弥呼の死後、大日之命が妻をもらった。そして正妻に子が生まれるが、その子が第12代・景行天皇。さらにその景行天皇の子が日本武尊命。時代としては日本武尊命は200年代後半~300年代前半の活躍となる。九州の旧・大和国(やまとこく)の朝廷の日本武尊が東征をし、奈良地域を中心とする新たな大和国の朝廷を築いた。

天皇系図に登場する人物の検証
倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこ)について
欠史八大の第7代孝霊天皇の娘に倭迹迹日百襲姫命がいる。名前からすると、国名の邪馬台国(やまとこく)、卑弥呼、母の桃日(ももひ)の名を合成した可能性が高い。

大彦命について
第8代の孝元天皇欝色謎命(うつしこめのみこと)の間の子に大彦命(おおひこのみこと)がいる。これが大日之命の可能性が高い。大彦命の父は第8代孝元天皇孝元天皇の父は第7代孝霊天皇天皇系図上も大彦命倭迹迹日百襲姫命はつながりがある。

景行天皇
実在する人物。しかしその時期(在位年71年~130年)には約200年のずれがある。

日本武尊
実在する人物。別名は小碓命(おうすのみこと)。

倭国大乱の前に男性王が立った時期の考察
男性王が立って7、80年たったのち倭国大乱が起こったとされる。この7,80年という話を正しいと仮定し、王が立った時期を考察する。38歳のとき247年に死去したとされ、推定209年頃~247年頃の人物である。即位時期が不明だが、いったん20歳と仮定する。すると男性王が立った時代は209年の75年前+20年、西暦154年前後、誤差±20年くらいだろうか。

■まとめ
・男性王が立った時期
 西暦154年前後±20年くらいの時期。
卑弥呼
 倭迹迹日百襲姫命に投影された可能性が高い。ただし名前のみだろうか。
・大日之命
 大彦命に投影された可能性が高い。ただし名前のみだろうか。
景行天皇(在位:71年-130年)
 実在、ただし実際の時期とずれあり。
日本武尊
 実在、名前が一致した。

<参考>
天皇<125代>の歴史
・現代語訳 魏志倭人伝 松尾光
・新訂 魏志倭人伝 他三篇 石原道博編訳 
一大率 - Wikipedia
刺史 - Wikipedia
鬼道 - Wikipedia
倭国大乱 - Wikipedia
倭国大乱 | 世界の歴史まっぷ

欝色謎命 - Wikipedia
大彦命 - Wikipedia
上古天皇の在位年と西暦対照表の一覧 - Wikipedia

など