東京証券取引所の制度が変わり、何だかよくわからなくなってしまった。何が変わったのか。またidecoやNISAと聞くが何が違うのだろうか。また岸田政権で言われる「資産所得倍増プラン」とは何かを調査して紹介する。
目次
・証券取引所
・旧・大阪証券取引所は東京証券取引所に移行
・東京証券取引所の株式市場の区分が変更された理由
・変更された株式市場の区分
・idecoとNISA、積み立てNISA
・キャッシュフロー・クワドラント
・資産所得倍増プラン
・まとめ
■証券取引所
株式を売買する場合、証券会社を通じて売り買いすることになる。その証券取引所は現在、日本では4か所あり、札幌、東京、名古屋、福岡。一番多く株式を扱っているのは東京証券取引所。
■旧・大阪証券取引所は東京証券取引所に移行
デリバティブの取引に強かった大阪証券取引所は2013年1月、東京証券取引所と経営統合されて「日本取引所グループ」となった。これに伴い、大阪証券取引所に上場していた企業は東京証券取引所に移行、2014年3月には名称変更され「大阪取引所」となった。
■東京証券取引所の株式市場の区分が変更された理由
東京証券所の4つの市場区分が、2022年4月、3つの市場区分に変更された。大きく2つの課題があり変更された。
1.コンセプトがあいまい
・市場第一部のコンセプトが不明確。
・市場第二部、マザーズ、JASDAQの位置づけが重複。
2.上場会社の持続的な企業価値向上の動機付けができていない
例えば、新規上場基準よりも上場廃止基準が大幅に低い。いったん上場した後、新規上場時の水準を維持する動機づけになっていない。※理論上は成長する企業が参入、収益の落ちた企業が上場廃止すれば、平均株価はあがっていく。アメリカのS&P500は退場ルールが明記されている(例えば、4期連続の利益)。
例えば、詳細は以下が参考となる↓
www.jpx.co.jp
■変更された株式市場の区分
これまでは
・市場第一部
・市場第二部
・マザーズ
・JASDAQ(スタンダード、グロース)
であった。
2022年4月以降は
・プライム市場
・スタンダード市場
・グロース市場
に変更された。
ざっくりな意味としては"グロース市場"が高い成長可能性を持つ企業、"プライム"がグローバルな投資家向けにも対応できる企業、それ以外を"スタンダード"としている。
■idecoとNISA、積み立てNISA
ideco、積み立てNISA、NISAの順で理解するとわかりやすい。
●ideco:
・個人型確定拠出年金なので老後資金対策として
・毎月一定額を積み立て(上限が1.2-2.3万程度)
・掛金が全額所得控除の対象
・運用益が非課税
・受け取り時も「退職所得控除」や「公的年金等控除」の対象
おすすめポイント
・サラリーマンの節税対策、所得控除分が特にメリット
・年金対策(長生きしたリスクの回避)に有効
デメリット
・原則60歳まで引き出せない
・例)2万円×12か月×20年で480万だと老後資金としては不足、NISAとの併用が必要
●積み立てNISA:
・毎月一定額を積み立て
・非課税枠は毎年40万
・非課税期間:最長20年
・いつでも売却してキャッシュ化できる
・一般NISAと積み立てNISAの併用はできない、片方を選ぶ
●(一般)NISA:
・少額投資非課税制度
・非課税枠は年120万まで
・非課税期間:最長5年
・まとまった資金を一括で運用できる
・非課税枠は1年で120万円まで、それを超える部分は課税対象
・いつでも売却してキャッシュ化できる
■キャッシュフロー・クワドラント
ロバート・キヨサキ氏のキャッシュフロークアドラントでいえば
・E:Employee 従業員
サラリーマンに投資家をアドオンするもの。リスクテイクしない日本人に対し、申告納税のスキームに載せた良いアイデアだとは思います。銀行とか証券会社に運用の仕事を創造しているとも言えるのかも。
なお、そのほかのクワドラントは
・S:Self-Employed 自営業者
サラリーマンとならず、気ままに働きたい人向け。スキルアップ、失敗もすべて自己責任。経費をうまく使うことが必要。人を使わず、自分でやっていくか、人をうまく使って大きくするかのいずれかの道もある。
・B:Business Owner ビジネスオーナー
一つまたは複数以上のビジネスをオーナーとして保有する。日本では社長=ビジネスオーナーが多いが、アメリカなどでは分離されている場合が多い。ビジネスを大きく成長させ、3億円ぐらいで売却できれば、1%程度の金利で毎年300万円の金融所得が入るため、ここを目指してがんばるオーナーも。
・I:Investor 投資家
株や不動産など。インカムゲインとキャピタルゲインにわけられ、キャピタルゲインは資産の売却そのものによってえられる利益。インカムゲインは配当などの資産の保有によって得られる利益。
■資産所得倍増プラン
ニュースなどではあまり具体的内容が明かされないが、
内閣官房の資料、以下で確認できる。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/bunkakai/sisanshotoku_dai3/siryou1.pdf
上記をみると、実態はNISAの口座数や資産額を増やす政策である。
具体的な目標値は
・NISAの口座数を1700万⇒3400万へ。ターゲットは30~40代。
・NISA買い付け額を28兆円から56兆円へ
その他、idecoも本プランの想定商品である。
■まとめ
資産所得倍増プランの実態はNISAの
・新規加入者を増やす
・既存加入者の投資額を増やす
であり、そのためにも株式市場が安定的に成長するよう経済を活性化させるなどの対策を並行してやっていくというのが成長プランなのかと思われる。
<参考>
・【ビッグカンパニー】大阪取引所(旧・大阪証券取引所)とは?分かりやすく解説してみました
・市場区分見直しの概要 | 日本取引所グループ
・つみたてNISAの概要 : 金融庁
・NISAとiDeCoはどちらを始めるべきか?それぞれの制度の特徴や選び方を解説!|りそなグループ
・いつもお使いの銀行でつみたて投資を始めてみませんか?投信つみたて|三菱UFJ銀行
・iDeCoとNISA/つみたてNISAの違いは5つ!始めるならどっち?併用もおすすめ? | イーデス