シン・ニホンシ

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203.結婚にまつわる「あなにやし」と「レビラト婚」のヒミツ

「あなにやし」「レビラト婚」から日本とユダヤの結婚にまつわる共通点を示す。次の順で紹介していく。
・あなにやし
・柱を回る結婚式の共通点
・あなにやしとの共通点
・レビラト婚とは
ユダヤにおけるレビラト婚
・日本におけるレビラト婚
・扶余族におけるレビラト婚
・まとめ

■あなにやし
日本版の神話である古事記日本書紀において、イザナギイザナミにプロポーズするときに以下のエピソードがある。

まずイザナギは左回りに回る。イザナミは右回りに天の御柱の周囲を回る。そして二人が出会ったところで語りかけお互いの魅力を誉めあう。

最初はイザナミからイザナギに語り掛ける。
「あなにやし、えをとこを(ああ、なんといいおとこだ)」。

次にイザナギイザナミに対して語りかける。
「あなにやし、えをとめを(ああ、なんといいおとめよ)」。

しかし女性が先に語り掛けたたため、生まれた子供はヒルコという不具の子となってしまう。葦船(あしぶね)に乗せて流してしまうことになる。

最終的に、男性のイザナギからイザナミを誘うこととなる。

※このヒルコの例えは、正しい知識を知らず、近親婚によると不具の子がうまれる可能性が高いことを教えているのではないかとする説がある。科学的にも間違いのない知識である。

■柱を回る結婚式の共通点
古代のイスラエル人(ユダヤ人)の結婚式では花を飾った柱を中心とし、花嫁と花婿がその柱を回る。そして2人が出会い、結婚が成立するとされる。

■あなにやしとの共通点
アナニヤシという言葉がユダヤ語の「アニーアシ―(またはアナ・ニャサ)」に類似しているのではないかとする説がある。その根拠は「アニーアシ―」の意味は「わたしは結婚します」という意味で類似しているため。

■レビラト婚とは
夫を失った妻(寡婦)が、死亡した夫の兄弟と結婚する慣習がある。 レビラトとはラテン語で「夫の兄弟」を意味する「レウィル(levir)」に由来している。ユダヤパンジャブモンゴル族匈奴チベット民族などで一般的である。扶余族や日本でもみられた。パンジャブ:インド北西部からパキスタン北東部にまたがる地域

ユダヤにおけるレビラト婚
禁止の場合と、義務の場合の双方のケースでの定めがあるとされる。禁止の定めは、律法の「レビ記」で兄弟の妻と肉体関係を結ぶことを禁止している。ただし、例外をもうけている。子供がいないまま夫が死亡した場合、「申命記」で「夫の兄弟が未亡人と再婚する」ことを義務としている。

■日本におけるレビラト婚
逆縁婚、もらい婚という。かつて武家の間で見られた。江戸時代中期以降、儒教の価値観が浸透し武家社会の人々の間では嫌われたとされる。一般的な庶民の間では受け入れられていた。その後、逆縁婚は1875年の太政官指令で禁止された。ただしその後成立した民法では禁止規定が盛り込まれなかった。第二次世界大戦後、妻が戦争で未亡人となった場合、夫の兄弟と再婚するという事例が見られたとされる。

■扶余族のおけるレビラト婚
三国志」魏書烏丸鮮卑東夷伝よれば、兄が死んだ場合、兄嫁を弟が妻とする。匈奴と同じ習俗とされる、という記述がある。

■まとめ
古事記日本書紀イザナギイザナミのプロポーズシーンはユダヤの結婚式の儀式が投影されている可能性が高い。
・レビラト婚を持つのはユダヤパンジャブモンゴル族匈奴チベット民族などで一般的。扶余族、日本でもみられた。

<参考>
レビラト婚 - Wikipedia
夫余 - Wikipedia