シン・ニホンシ

日本の歴史を新しい視点でとらえ、検証し、新しい未来を考える

21.ルネサンスによる人間性中心への大転換

ここではキリスト教や活版技術により日本に大きな影響を与えた、ヨーロッパのルネサンス期についてとりあげる。

ルネサンスとは
ルネサンスは「文芸復興」と訳される。言葉の意味からすれば、下火であった芸術や文学が、再び勢いを増したのだろうかと思うが、ルネサンスの本来の意味は「再生」「復活」。
■人間らしさの復活
何が再生、復活したのかというと、教会中心的な思想からギリシャ、ローマの古典的な「人間らしさ」のあふれる文化・芸術・学問へと再び回帰しようというもの。そしてその人間らしさをどう表現するか。例えば、題材を神話にしたり、写実的な人間味あふれる描写としたり。ボッティチェリプリマヴェーラや、ミケランジェロダビデ像を思い浮かべて頂きたい。ルネサンス時代はヨーロッパの14-16世紀にわたる時代。ローマ帝国の衰退~滅亡の時代でもある。ダンテ(神曲)などを先駆者としつつ、イタリアを中心として始まり、ヨーロッパ各地へと広がっていく。この「人間中心主義」ともいえる思想への回帰が、「神中心」「教会中心」の宗教・思想、芸術、制度などから「個性の解放」を行った。これはのちの自由主義個人主義へとつながっていく。
ルネサンスの日本への影響
また、日本への影響としては、ルネサンス期による天文学、地理学、科学技術、羅針盤、印刷技術などの発明や技術革新が起こり、航海技術が発達、15世紀後半から大航海時代が幕をあけることで日本にも大きな影響を与えていく。そしてこの航海技術の発達は、植民地主義に拍車をかけていくことになる。なお、火薬、羅針盤、活版技術はいずれも中国が起源とされるが、ヨーロッパで改良、実用化されたため「ルネサンスの三大発明」と呼ばれる。特にグーテンベルグ活版印刷は思想、書物の普及に大きな影響を与えた。また火薬や科学技術の発達により火砲や銃器が登場することで騎士階級が没落、ヨーロッパの封建社会は17世紀には崩壊する。
ルネサンス期の作品
ルネサンス期の有名な作品はどのようなものがあっただろうか。
・美術では、ボッティチェリ(春)、レオナルドダヴィンチ(最後の晩餐)、ラファエロ(アテナイの学堂)、ミケランジェロ(ダビデ像)などがある。
・文学では、シェークスピア(ロミオとジュリエット)、セルバンテス(ドン・キホーテ)などがある。
・自然科学では、グーテンベルグ(活版印刷)、コペルニクス(地動説)、ガリレオ・ガリレイ(物体落下の法則)、ケプラー(惑星運行法則)がある。
宗教改革では、ルター(ドイツ出身)、カルヴァン(フランス出身)がある。
<参考>
・図解 世界史 西東社
・pen books ルネサンスとは何か。
・知識ゼロからのルネサンス絵画入門