シン・ニホンシ

日本の歴史を新しい視点でとらえ、検証し、新しい未来を考える

114.ヘブライ王国の南北分裂と滅亡、北イスラエル王国と南ユダ王国の12支族

ヘブライ王国の歴史的転換点となるイスラエル王国の南北の分裂。そして全12各支族をまとめる。これにより古代イスラエルの分裂の経緯を正しく把握し、陰謀論的に用いられやすい「失われた10支族」を正しく理解できるようになる。

古代イスラエル王国
ヘブライ王国とも称される。紀元前11世紀の終わりにシリア、カナンの地(パレスチナ)において生活をしていたヘブライ人が統一されカナンの地(現在のパレスチナ)でイスラエル王国を建国した。初代の王はベニミヤン族出身のサウルである。古代イスラエル王国の最盛期は前10世紀ごろのダビデ王、ソロモン王。ともにユダ族。古代イスラエルの王はサウル(前1000-前961)、イシュ・ボシェテ(前1000)、ダビデ(前1000-前962)、ソロモン(前962-前922)、レハブアム(前922)と続いた。前922年に南北に分裂した。南北分裂の原因は、南部のユダ族から出たダビデ王-ソロモン王の統治に不満をもった北部部族がソロモン王の死後の前922年頃に分離し、独立したとされる。
※このことは12支族が一枚岩ではないし、それぞれに考えもあり、また人口も多く、かならずしも一致団結しないことを示すと理解する

■南ユダ王国:前922-前586年
統一イスラエル王国が南北に分裂、北側をイスラエル王国、その一方でできたのが南ユダ王国パレスチナの南部にあたり首都はエルサレムを継承した。ダビデ王、ソロモン王のユダ一族の後継者が王位を継承したためユダ王国と呼ばれている。ユダ族、ベニヤミン族で構成される。これに及び祭祀のレビ族が加わる。紀元前922から存在したが紀元前586年に新バビロニアによって滅ぼされた。

■北イスラエル王国:前922年-前722年
前922年にヘブライ王国が分裂し、北部に生まれた王国。首都はサマリア。前722年にアッシリア帝国に滅ぼされた。

■12支族とは
次の12支族をいう。カウントの仕方がヨセフの子をエフライムとマナセにわけて示すのか、祭祀族のレビ族を入れるかで異なる。失われた10支族カウントする際に「除く」支族を▲で、南ユダ王国側の支族を★で示した。
・リアが母:ルベン、シメオン、レビ(▲)、ユダ(▲★)、イッサカル、ゼブルン
・ゼルファが母:ガド、アシェル
ラケルが母:ヨセフ、ベニヤミン(▲★)
    ※ヨセフの子エフライムとマナセを加えてカウントする際はレビを除く
・バラが母:ダン、ナフタリ

■失われた10支族
ルベン、シメオン、ダン、ナフタリ、ガド、アシェル、イッサカル、ゼブルン、マナセ、エフライムの10支族。古代イスラエル12部族のうちユダヤ民族の直系の祖のユダ族・ベニヤミン族・レビ族を除いたものをいう。

■南王国ユダの2支族
ユダ族・ベニヤミン族。これにレビ族を加えた3部族がユダヤ民族の直系の祖となったとされる。つまり南王国には3部族が存在しているが、レビ族を数えずに2部族と呼ばれる。

■バビロン捕囚
前586年にユダ王国新バビロニアに征服された。ユダヤ人がバビロンに連行され、捕囚となった。アケメネス朝キュロス2世によって前538年に解放された。
■まとめ
支族に関して
・失われた支族:ルベン、シメオン、ダン、ナフタリ、ガド、アシェル、イッサカル、ゼブルン、マナセ、エフライム
・失われていない支族:レビ、ユダ、ベニヤミン
ダビデ、ソロモン王を輩出したのはユダ族
・レビ族は祭祀の支族で特殊
・ヨセフをエフライムとマナセに分割することがある。10支族の文脈時は分割されている。
・失われた支族であっても一部はイスラエルに残っていたり、失われていない支族であっても一部は失われたりがある
年代に関して
古代イスラエル王国は前1,000-前922年
・北イスラエル王国は前922年-前722年
・南ユダ王国は前922-前586年
・バビロン捕囚は前586年-前538年

■感想
・レビ族は祭祀族とされる。他の支族とやはり役割や技能的にも異なるのだろうか。

<参考>
古代イスラエル - Wikipedia
ユダ王国 - Wikipedia
・世界の窓 ヘブライ王国
・世界の窓 ユダ王国
・世界の窓 イスラエル王国