シン・ニホンシ

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160.五重の塔はインドの五大元素の象徴~百済・扶餘郡の五重石塔と斑鳩の法隆寺塔~

今回は「五重塔」をテーマに、百済の五重石塔、そして日本の世界最古の木造五重塔法隆寺塔を紹介する。五重塔にはインドの仏教をベースとした5代元素の思想、宇宙観が表現されていることがわかる。

■扶余 定林寺址 五層石塔
忠清南道 扶余郡 にある定林寺址の五層石塔。ユネスコ世界遺産文化遺産)に登録されている。8.33mの高さを持つ。定林寺は6世紀の中頃に建てられたとされる。寺址は1028年に再建されたとされる。中国南朝の梁から541年、百済に対して仏典や画家などを送ったとの記録が残っているとされる。梁の技術者も百済の仏教発展に貢献したようだ。なお、扶余は百済の最後の首都。538年、第26代王・聖王(聖明王)のときに熊津から扶余に遷都された。
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■日本最古の木造五重の塔、法隆寺
最初に建てられたのは推古天皇の時代、605~607年頃とされる。火事によって全焼しており、680年~710年頃に再建がなされた。これが現在の五重の塔にあたる。基壇が1.11メートルあり、それより上が32.56メートルで、トータル33.67メートルと、1300年以上たつ建築物は世界でも数少ない。

■五重の塔はインドの五大元素、宇宙観の象徴
五重の塔は仏塔の形式の1つで層上に重なった屋根を持つ。外側からみると屋根が5重になっており5階建てのように見えるが、実際は1階で平屋の構造になっている。
仏塔は、古代インドで仏舎利(釈迦の遺骨)を祀るために造られ始めた「ストゥーパ」に起源を持つとされ、紀元前3世紀頃からはじまった。
インドの5代元素の思想、宇宙観を表現しており、下の部分から順に地、水、火、風、空を表すとされる。
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<まとめ>
・扶余 定林寺址 五層石塔の定林寺は6世紀ごろ
法隆寺の5重の塔は最初は605~607年頃に建てられた、現在は再建されたもの
・5重の塔は屋根は5つあるが実際は平屋
・5重の塔はインドの5代元素、地、水、火、風、空を表している

<参考>
定林寺址 - Wikipedia
扶余定林寺址(五重石塔・石仏坐像)|扶余(大田・忠清道)の観光スポット|韓国旅行「コネスト」
邪馬台国大研究 扶余定林寺址 http://inoues.net/korea/teirinnji.html
法隆寺-御朱印法隆寺 五重塔
扶餘郡 - Wikipedia
五重塔 - Wikipedia