シン・ニホンシ

日本の歴史を新しい視点でとらえ、検証し、新しい未来を考える

207.3万5千年前からの群馬の歴史と古墳時代の榛名山の噴火

九州、奈良から始まる歴史だけを追いかけ、渡来人の活躍を眺めていると日本のほんとうの歴史を見誤る危険性がある。そこで、群馬の古代史を紹介することで日本は既に古代から発達しており、さまざまな人種を受け入れることが可能な文化レベルに達していたことを示す。あわせてヤマト王権時代に影響を与えたと考えられる榛名山の3度の噴火を記録する。

・古代の群馬の歴史
・群馬の石器に関する遺跡
・群馬のヒスイ
榛名山の噴火
・日本のポンペイ・黒井峯遺跡
・まとめ

■古代の群馬の歴史
群馬歴史博物館によると下記のとおりである。
●約35000年前 旧石器時代のムラがつくられる
●約15000年前 土器の使用が始まる
●約6000年前 中野谷松原(なかのやまつばら)に環状のムラができる
↓中野谷松原で出土した土器、装身具類が確認できる

kids-kouko.com

●約5000年前 三原田・房谷戸渋川市)などに大集落ができる
↓は房谷戸遺跡出土の土器が確認できる

bunka.nii.ac.jp

●約3000年前 千編網谷戸桐生市)ですぐれた土製耳飾りがつくられる
↓は千編網谷戸遺跡の土製耳飾り

ja.wikipedia.org

↓下記は茅野遺跡の耳飾り(縄文時代後期)

bunka.nii.ac.jp

●約2400年前 再葬墓がさかんにつくられる
岩櫃山群馬県吾妻郡吾妻町)から出土した深鉢型土器を下記に示す。墓制として再葬墓の形式をとっている。再葬墓とは遺骸(いがい)を洗骨した後に土器に入れ、再び埋葬し直すもの。東日本では再葬墓、西日本では北九州西側付近~熊本あたりまでで甕棺墓が多かったとされる。
↓は岩櫃山遺跡の深鉢型土器

kotobank.jp

●約2100年前 群馬県地域に米作りが伝わる
●約1700年前 日高(ひたか)のムラで水田が営まれる
●3世紀 (ヤマト政権が成立)
●4世紀 前橋天神山古墳がつくられる 
 4世紀前半、墳丘の全長は129mの大型前方後円墳
↓は前橋天神山古墳

ja.wikipedia.org

●5世紀 太田天神山古墳がつくられる
 群馬県太田市内ケ島町にある前方後円墳。墳丘長210m。築造時期は5世紀前半-中期頃とされる。
↓は太田天神山古墳

ja.wikipedia.org

●6世紀 綿貫観音山古墳がつくられる
群馬県高崎市綿貫町にある前方後円墳。墳丘長97m。築造時期は6世紀後半とされる。
↓は綿貫観音山古墳
ja.wikipedia.org

●681年 山上碑(高崎市)が建てられる
●710年 (平城京に遷都する)
●711年 多胡碑(高崎市)が建てられる
●726年 金井沢碑(高崎市)が建てられる
●750年 上野国分寺(前崎市・高崎市)が完成する

 ■群馬の石器に関する遺跡
岩宿遺跡
↓にて約3.5万年前の石器が画像にて紹介されている
岩宿博物館 常設展示 │みどり市岩宿博物館

●黒井峯遺跡
約6千~7千年前の両尖尖頭器がみつかっている。尖頭器(せんとうき)とは狩猟用に槍の柄の先につけて突き刺したり、ナイフのように切るために使った。

■群馬のヒスイ
●高崎情報団地Ⅱ遺跡において約5千年前のヒスイ製大珠などが見つかっている
↓にてヒスイ(硬玉)製大珠や浅鉢形土器が確認できる
高崎情報団地2遺跡出土品 ヒスイ(硬玉)製大珠1、浅鉢形土器2 | 高崎市

榛名山の噴火
5世紀に火山活動が再開し、6世紀中頃までに 3回の噴火が発生。
1度目:400年~500年の間のいずれかの年
2度目:489年~498 年の間のいずれかの年
3度目:525年~550年の間のいずれかの年
とされる。

■日本のポンペイ・黒井峯遺跡
規模は東西約700メートル、南北400メートルの集落遺跡。位置は子持山麓、吾妻川北岸の河岸段丘上に存在。古墳時代の2度目の火山爆発の軽石によって埋没した遺跡。家屋47棟が残っている。屋根が軽石で陥没。馬の放牧地であったことがわかっている。
下記は渋川市のHP資料(PDF)に詳しい情報あり。↓
https://www.city.shibukawa.lg.jp/manage/contents/upload/5f6d3a26ee835.pdf

■まとめ
・群馬は古代から発達しており、考古学的にも恵まれ遺跡などが多数発見されている
・35000年前のムラが確認されており、かなり早期から発達していた
・約3000年前には千編網谷戸、茅野遺跡などで、土製耳飾りがつくられている
・4世紀前半の前橋天神山古墳、5世紀前半-中期頃の太田天神山古墳、6世紀後半の綿貫観音山古墳はいずれも前方後円墳。群馬はヤマト王権の勢力下にあったと考えられる。
榛名山古墳時代に3度噴火しており、古墳の建造などにも大きな影響を与えのでは

<参考>
上野国分寺跡 - Wikipedia
気象庁 榛名山
https://www.data.jma.go.jp/vois/data/tokyo/STOCK/souran/main/43_Harunasan.pdf