和田都見神社、磯良恵比寿について紹介する。次の流れで紹介していく。
・和田都見神社
・延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)
・延喜式(えんぎしき)
・和田都見神社の三角鳥居
・磯良恵比寿をまつる7つの神社
・安曇磯良(あづみのいそら)
■和田都見神社
所在は長崎県対馬市。
延喜式の神名帳に記載されている神社。
彦火々出見尊(ひこほほでみのみこと)、その妻の豊玉姫命(とよたまひめのみこと)の夫婦神が祀られ、主催神となっている。
神代の頃に海神の豊玉彦尊がこの地に宮殿をつくり、和多都美神社が鎮まる地を夫姫(おとひめ)と名付けた。
■延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)
延喜式神名帳とは。
927年にまとめられた延喜式の第九、第十巻。
全国の神社一覧で、当時の「官社」に指定されていたとされるもの。
全国で2861社あり、鎮座する神さまの数は3132座とされる。
↓はwikipedia、延喜式神名帳
延喜式神名帳 - Wikipedia
■延喜式(えんぎしき)
平安時代中期に編纂された、律令を補完するための法令や法令をまとめた法令集。
醍醐天皇の命によって905年(延喜5年)、藤原時平らが編纂を始めた。
藤原時平が死去後は兄弟にあたる藤原忠平が編纂した。
927年に完成。
何度か改訂され、967年より施行された。
・定例祭
・臨時祭
・大神宮
・斎宮
・斎院
・踐祚大嘗祭
・祝詞
・神名帳
・太政官八省
・官司
・雑式
など全50巻、約3,300条から構成される。
↓はwikipedia、延喜式
延喜式 - Wikipedia
■和田都見神社の三角鳥居
和田都見神社では、本殿から海に向かい、鳥居が5つたっている。
そのうち2柱は海中にある。
満潮や干潮を意識した鳥居になっている。
海幸彦、山幸彦の物語では
・潮の満ちる玉、
・潮の干る(ひる)玉
が登場した。
和田都見神社と関連があるのだろう。
なお、和田都見神社には三柱の鳥居が存在する。
これはのちの神社の鳥居の原型なのだろうか。
この三柱鳥居は磯良恵比須(イソラエビス)とされる。
↓は旅行のビーウェーブ、和田都見神社、画像にて三柱鳥居などが確認できる
■磯良恵比寿をまつる7つの神社
磯良恵比寿を知るため、磯良を祀る神社について調べる。
次の7つの神社を取り上げる。
1.志賀海神社
所在は福岡市東区志賀島。
祭神は「綿津見三神(わたつみさんしん)」とされる。
・左殿:仲津綿津見神(なかつわたつみのかみ)
・中殿:底津綿津見神(そこつわたつみのかみ)
・右殿:表津綿津見神(うはつわたつみのかみ)
別途取り上げる。
2.風浪宮(ふうろうぐう)
所在は福岡県大川市。
神功皇后が三韓征伐からの帰途、192年に筑後国葦原ノ津(大川榎津)に寄った時、阿曇連磯良丸に少童命(ワダツミノミコト)を祀ったのがはじまりとされる。
関連した史実を並べる。
・倭国大乱は180年前後
・卑弥呼の魏への遣使が239年
・台与の遣使が266年
一方、日本書記によれば
・神功皇后の在位は201年から269年
・神功皇后の三韓国征伐は262年頃
である。
広開土王碑からと照らし合わせると382年頃と考えられる。
これらをベースとしたとき阿曇連磯良丸の到着はいつだろうか。
神功皇后の在位は卑弥呼の誕生から台与の年代頃の時代に設定されているようだ。
この頃に阿曇連磯良丸の到着を重ねているのだろうか?
↓はwikipedia、風浪宮
4.和布刈神社(めかりじんじゃ)
所在は福岡県北九州市門司区門司。
別名は隼人社。
本州と九州の関門海峡を司る神だろうか。
↓はwikipedia、和布刈神社
5.磯良神社 (茨木市)
大阪市茨木市三島丘に鎮座。疣水神社(いぼみずじんじゃ)とも。
↓はwikipedia、磯良神社 (茨木市)
7.春日大社(奈良)
768年、平城京の守護と国民の繁栄を祈願するために創建された。
中臣氏・藤原氏の氏神を祀る。
神紋は「下がり藤」。
磯良の明神は春日大社(奈良)でも祀られている。
春日若宮おん祭の細男(せいのう、せいのお、さいのお)と称し、磯良の舞が奉納される。
↓はwikipedia、春日大社
■阿曇磯良(あづみのいそら)
阿曇磯良とは。
「太平記」によれば、阿度部磯良について次のように記されている。
神功皇后は三韓出兵の際に諸神を招いた。
しかし海底に住む阿度部磯良だけは顔にアワビやカキがついていて醜いのでそれを恥じて現れなかった。
太平記は1370年に出版されたもの。
これらからすると阿曇磯良は船を示しているようだ。しかし実際は船を扱い、古来に活躍した人びとなのだろう。また阿度部=あづみであった時期もあり、アドとアヅミは同じ意味のようである。
<参考>
・延喜式神名帳 - Wikipedia
・格式 - Wikipedia
・志賀海神社 - Wikipedia
・太平記 - Wikipedia