シン・ニホンシ

日本の歴史を新しい視点でとらえ、検証し、新しい未来を考える

323.籠神社の息津鏡と辺津鏡と天の眞名井の水

今回はオキツ、ヘツにまつわる海部氏に関係する籠神社(このじんじゃ)を取り上げる。次の流れで紹介していく。

・イザナギが禊にて身につけたるものを脱いで生まれた神々(前回より再掲)
・邊津鏡、息津鏡
・籠神社(このじんじゃ)
・海部氏系図
天火明命(あめのほあかりのみこと)
・奥宮 眞名井神社

イザナギが禊にて身につけたるものを脱いで生まれた神々(前回より再掲)
古事記においては下記12神が生まれている。

1.ツキタツフナトノカミ
2.ミチノナガチハノカミ
3.トキハカシノカミ
4.ワヅラヒノウシノカミ
5.チマタノカミ
6.アキグヒノウシノカミ
7.オキザカルノカミ
8.オキツナギサビコノカミ
9.オキツカヒベラノカミ
10.ヘザカルノカミ
11.ヘツナギサビコノカミ
12.ヘツカヒベラノカミ

日本書紀では上記の「オキ」と「ヘ」に関する6神などが削られている。

前回、古事記においてイザナギの禊の際に生まれた12神を日本書紀と比較、名前に隠されたメッセージがあることを紹介した。
↓は前記事、イザナギが禊の際に脱いだ衣服などから生まれた12神

shinnihon.hatenablog.com

■邊津鏡、息津鏡
1987年(昭和62年)、海部家に伝わるとされる2つの鏡が公表された。
1つは邊津鏡(へつきょう)
学術名は内行花文長宜子孫八葉鏡。
前漢時代(紀元前206年~8年)のものとされる。

もう1つは息津鏡(おきつきょう)。
学術名は内行花文昭明鏡。
後漢時代(25年~220年)のものとされる。

この2枚の鏡は海部氏、そして籠神社と関係がある。
↓は籠神社、海部氏伝世鏡の紹介ページ

www.motoise.jp

■籠神社(このじんじゃ)
元伊勢の一社とされ、元伊勢籠神社とも称される。
所在は京都府宮津市字大垣、天橋立付近。

現在に至るまで、宮司を海部氏(あまべうじ)世襲している。

主祭神
・彦火明命 (ひこほあかりのみこと)

相殿神
豊受大神(とようけのおおかみ) 
天照大神(あまてらすおおかみ)
・海神(わたつみのかみ)
天水分神(あめのみくまりのかみ)

彦火明命(ひこほあかりのみこと) や海神(わたつみのかみ)は社家・海部氏の氏神とされる。
↓googlemap、元伊勢籠神社の所在

maps.app.goo.gl

■海部氏系図
籠神社の社家、海部氏に伝わる系図
「籠名神社祝部氏係図」・1巻と「籠名神宮祝部丹波国造海部直等氏之本記」・1巻から成る。

1975年の重要文化財の指定を経て、1976年には国宝指定となった。
始祖の彦火明命から第32世の田雄まで、各世1名の直系子孫のみを記している。
↓はwikipedia、海部氏系図

ja.wikipedia.org

天火明命(あめのほあかりのみこと)
古事記日本書紀の一書では
天忍穂耳命アメノオシホミミ
高御産巣日神タカミムスビノカミ、高木神)の娘の万幡豊秋津師比売命(たくはたちぢひめのみこと)の子とされる。

■奥宮 眞名井神社
籠神社の奥宮として眞名井神社(まないじんじゃ)が存在する。
※マナイ神社は島根県松江市山代町、「真名井神社」もある。

古事記では天照大神須佐之男命が「天の眞名井」で「誓約」を行ったとする記述がある。

磐座主座では
御祭神を豊受大神(とようけおおかみ)

相殿に
罔象女命(みづはのめのみこと)
彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)
・神代五代神(かみよいつつよのかみ)
を祀る。

一方磐座西座では
天照大神
・伊射奈岐大神(いざなぎのおおかみ)
・伊射奈美大(いざなみのおおかみ)
を祀る。

天の眞名井の水
眞名井神社に天の眞名井の水がある。籠神社の海部家三代目「天村雲命」が神々が使われる「天の眞名井の水」を黄金の鉢に入れて天上より持ち降った御神水とされる。

マナの語源については別途紹介予定。

<参考>
丹後一宮 元伊勢 籠神社(このじんじゃ)  奥宮 真名井神社(まないじんじゃ) | 京都丹後日本三景天橋立 (motoise.jp)
海部氏系図 - Wikipedia
元伊勢 - Wikipedia
社家 - Wikipedia
天火明命 - Wikipedia
真名井神社 - Wikipedia
太占 - Wikipedia