出雲の上塩冶築山古墳から十字の冠が出土している。次の流れで紹介していく。
・十字の冠が出土した上塩冶築山古墳(かみえんやつきやまこふん)
・上塩冶築山古墳
・今市大念寺古墳
・まとめ
■十字の冠が出土した上塩冶築山古墳(かみえんやつきやまこふん)
上塩冶築山古墳から十字の冠が出土している。
出雲弥生の森博物館のブログによれば、冠の復元品は十字の形をしていたとされる。
出典:出雲弥生の森博物館のブログ、出雲弥生の森通信
↓は出雲弥生の森博物館のブログ、リンク先の画像
↓は文化遺産オンライン、島根県上塩冶築山古墳出土品。復元前の十字の冠(のパーツ)ほか、出土品が確認できる。
■上塩冶築山古墳
築山古墳群に属する。
形式は円墳。
大きさは直径46m。
築造は6世紀末。
埋葬は両袖式の横穴式石室。
内部に横口式家形石棺が2基存在する。
石室の開口部から
・玉類
・金銅冠
・円頭大刀
・馬具
・須恵器
などの副葬品が見つかった。
家形石棺はノミなどの工具で削った跡がわかるという。
今市大念寺古墳に続く出雲地方の代表的首長墓に位置づけられる古墳とされる。
↓はgooglemap、上塩冶築山古墳
maps.app.goo.gl
↓は島根県・上塩冶築山古墳、墳丘推定復元図なども確認できる
↓は出雲弥生の森博物館研究紀要第6集、上塩冶築山古墳の再検討
以降、周辺の古墳を紹介。
■上塩冶地蔵山古墳
形状は不明。
築造時期は石室構造から7世紀前半とされる。
古墳の大きさは25m以上と推定されている
埋葬は横穴式石室がある。
大きさは全長8mほど。
凝灰岩の切石で構築されている。
玄室は奥室、前室から成る。
奥室は天井、側壁とも一枚の切石で組まれている。
内部に横口式家形石棺と石床が置かれている。
石棺内には地蔵尊が祀られている。
↓は島根県、上塩冶地蔵山古墳
↓はgooglemap、上塩冶地蔵山古墳
■今市大念寺古墳
所在は島根県出雲市今市町鷹の沢。
形状は前方後円墳。
大きさは墳丘長92m。
築造は6世紀後半。
埋葬は両袖式横穴式石室。
内部に
・横口式家形石棺:1基
・組合式石棺:1基
がある。
出土品に
・金銅製履
・金環
・丸玉
・大刀
・槍身
・斧頭
・馬鐸
・轡
・鈴
・雲珠
・須恵器
などがある。
墳丘は黒色と茶色の土層を交互に盛っており、高度な土木技術に基づくものであるという。
↓は島根県、今市大念寺古墳www.pref.shimane.lg.jp
■まとめ
上記よりまとめると
・今市大念寺古墳:前方後円墳、6世紀後半、墳丘は黒色と茶色の土層を交互に盛る
・上塩冶築山古墳:円墳は6世紀末、十字の王冠が出土
・上塩冶地蔵山古墳:形式は不明、7世紀前半
である。
なお、出雲の歴史としては
・スサノオの年代紀元前700年代、出雲の豪族の娘、クシナダヒメと結婚
・オオクニヌシの年代は300年前後、ヤマトタケルに国譲りする
・今市大念寺古墳、上塩冶築山古墳、上塩冶地蔵山古墳は6世紀後半~7世紀前半
がある