シン・ニホンシ

日本の歴史を新しい視点でとらえ、検証し、新しい未来を考える

123.遺伝子解析③:世界の中における日本人~Y染色体ハプログループの遺伝子解析結果より~

世界レベルでDNAを比較すると日本人はどのように位置づけられるのだろうか。日本人の歴史や人種のルーツには様々な説が唱えられている。なぜ特定が難しいのかというと、それは歴史的に不思議な経緯をたどっているだと考えられる。果たして遺伝子解析からはどこまで証明できるのだろうか。

■1.縄文人や現代人を世界の国々の遺伝子と比べるとどうなる?
前記事までで近隣のアジアの国々の中では縄文人や現代人は異なることが分かった。ここでは、ヨーロッパやアフリカも含めるとどうなるだろうか。以下紹介サイトで分析がなされている。
・分析手法:核ゲノムによる遺伝子解析
・利用データ対象:
 ・東ユーラシア:中・日・ベトナムなど
 ・アフリカ:ケニア、ナイジェリアなど
 ・ヨーロッパ:フィンランド、イギリス、スペイン、イタリアなど
 ・縄文人
・分析:以下サイト中の「図6:世界中の集団と縄文人の比較」を参照頂きたい↓
www.brh.co.jp結果:
・東ユーラシアと縄文は近い
・東ユーラシアと他の大陸とは遠い
・東ユーラシア、アフリカ、ヨーロッパでまとまる傾向があり。言い換えると、黄色人種モンゴロイド)、白人(コーカソイド)、黒人(ネグロイド)で違いがある。

■2.世界の人種を遺伝子で比べると結果はどうなる?
今度は人種レベル、母系遺伝に着目した研究を紹介。Y染色体ハプログループの分析となるが、Wikiでも結果が公開されている。
・読み取り方:ページ中央付近の系統図を確認頂きたい。「Y染色体アダム」を先頭として、A~Tまでの系統がわかれていくことが読み取れる。
・検証したいこと:この結果をもとに、日本人や古代ユダヤ人(=古代ヘブライ人=古代イスラエル人)の違いを考える。

ja.wikipedia.org

■結果の解釈
まず日本人に着目する。
・日本が関係するのはD、C、O
・C1a1が日本固有とされ、縄文人はここにあたるのではとされる
・DEの系統をYAP遺伝子と呼ぶ
・Dのうち、D1a1はチベット、日本で多い
・D1a2aがアイヌ琉球で多く縄文人とされる
・D1a1はアンダマン諸島でも多いとされる

次にユダヤ人に着目する。ただし既に離散しており、いったん中東を含む。
・中東はJ、Eでわかれている
・Eが古代イスラエルの民族とされている(※wiki上では記載ないが)
■まとめ
・日本人はC、D、OのうちDがYAP遺伝子
・YAP遺伝子とされるのはDE
・古代ユダヤ人はEとされる
・日本人(D)と古代ユダヤ人(E)は同じではないが、1階層上のDE系列としては同じ
■感想
・上流のグループ(DE)で同系列
チベットアンダマン諸島と日本人が近いことが興味深い
■新たな仮説
・Eの古代ユダヤ民族のほぼすべてがCが住む島に移動したと仮定したらどうなるだろう。そして1500~2000年経過するとどうだろう。Dとして現れるだろうか。現代日本人は縄文人とも韓国人とも少し異なるのだから、違いは古代ユダヤ人の遺伝子。またチベットにもそれが現れている可能性。日本人もチベット人ユダヤ人も賢くて自分たちの生きざまを貫くような気質が似てそう。
■今後にむけて
・遺伝子によるアプローチはサチュレーション(飽和)したとする。別の観点から探っていくこととする
<参考>
・あまり万世一系には科学的根拠がない↓
Y染色体原理主義 vs ミトコンドリア原理主義