今回も西洋。キリスト教に由来の雑学、「プロビデンスの目」について、次の流れで紹介していく。
・アメリカの1ドル札
・野口英世の千円札と富士山
・プロビデンスの目
■アメリカの1ドル札
アメリカの1ドル紙幣は1935年に採用されたものである。
アメリカの初代大統領、ジョージ・ワシントンの肖像画が描かれている。
また、紙幣の裏側にはピラミッドに目が描かれている。
「プロビデンスの目」とされる。これについては後述する。
またその目の上部に「Annuit Coeptis」という文字がある。
これは「神はわれわれの取り組みを支持し給う」という意味とされる。
さらにピラミッドの最下段にローマ数字で「MDCCLXXVI」がみられる。
これは1776年を表す。
また、これと「NOVUS ORDO SECLORUM」という文字がみられ、「時代の新しい秩序」の意味とされる。
↓wikipedia、アメリカの1ドル札
■野口英世の千円札と富士山
2024年3月現在。
2024年7月3日から新しいお札(紙幣)が発行される。
新1万円札は渋沢栄一。
新5千円札は津田梅子。
新千円札は北里柴三郎。
↓は国立印刷局、新しい日本銀行券特設サイト
現在の千円札は野口英世である。
平成16年(2004年)11月1日 から発行された。
この千円札についてもプロビデンスの目が採用されていると考えられる。
「すかし(薄くする)」の技術を利用している。
野口英世の左目(紙幣上の見た目は右側)の部分に対し、お札をすかすと裏側に富士山の山頂の三角の部分が現れる。
これがプロビデンスの目に該当すると考えられる。
アイデアとして、あるいは偽造防止技術としての智慧の披露という意味合いもあるのではないだろうか。
ちなみに、お札に古代の愛国心を想起するような人物が使われなくなった理由を過去記事にて紹介した。
↓戦後、愛国心を失った日本
プロビデンスの目はキリスト教における意匠。
「プロビデンス」の意味は「キリスト教の摂理」。
英語ではEye of Providenceで、神の全能の目(all-seeing eye of God)を意味する。
三位一体の象徴として中世からルネサンスにかけて以降で用いられた。
三位一体の象徴である三角形、光背と組み合わせて用いられることが多い。