ユダヤ人には3系統があるとされる。ロシアとウクライナの戦争、イスラエルとハマスの戦争などはユダヤ人とも関わりがある。世界史に影響を与えているユダヤ人について、次の流れで紹介していく。
・ユダヤ人の人口
・3系統のユダヤ人
・アシュケナジー
・スファラディ
・ミズラヒム
・アシュケナジーとスファラディの違い
・3つの宗教の聖地エルサレム
・ユダヤ人の聖典
・古墳時代のユダヤ人
・古事記の誓約にみられるミズラ
■ユダヤ人の人口
2021年時点では、ユダヤ人の人口は1517万人。
その居住はイスラエルに687万人。
ついでアメリカに600万人とされる。
ユダヤ人のうち85%はこの2か国に住んでいる。
世界各国での人口比率はどうか。
米国におけるユダヤ人の人口比率は1.82%。
ついでカナダが1.03%、フランスが0.69%。
アメリカにおけるユダヤ人の人口は1.82%であるが、人口比以上に政治や経済力で影響が大きいとされる。
2017年にはトランプ大統領(当時)がエルサレムをイスラエルの首都と承認し、歴代政権の政策を一転させた。
■3系統のユダヤ人
次の3系統があるとされる。
である。
■アシュケナジー
中欧に住む。
19世紀末までヨーロッパ大陸とロシアを中心に居住していたユダヤ人。
■スファラディ
主にスペイン。
15世紀末にイベリア半島を追放され、オランダなどの北海低地帯、北アフリカ、パレスチナを含むトルコ帝領に居住したユダヤ人。
■ミズラヒム
東方を意味する。
中東、中央アジアに移り住んだユダヤ人。
■アシュケナジーとスファラディの違い
ユダヤ学の研究家、レオ・ロステン氏によれば次の特徴があるとされる。
スファラディ:
・人当たりがよく対応がうまい
・コスモポリタン(国際人)である。商人、医者、哲学者、王やキリスト教司祭のアドバイザーとしての立ち回りが上手。
アシュケナジー:
・世間的な接触が薄い
・トーラーとタルムードを中心とした生活を送る。
トーラーはモーセ五書のこと。タルムードは口伝で語り継がれたものを正典的に結集したもの。ミシュナ、ゲマラによって構成される。
・行商人、農奴、プロレタリアが多い
人口の比率的にはアシュケナジーが圧倒的に多いとされる。
上述のとおり2021年時点のユダヤ人人口は1517万人。
系統別にわかっている1960年時点での人口は1300万人、うち
アシュケナジー:1100万人
スファラディ:50万人
ミズラヒ:150万人
である。
■3つの宗教の聖地エルサレム
なぜイスラエルを通して戦争が起こっているのか。
それは3つの宗教の聖地がエルサレムにあるからである。
↓イスラエルの建国や3つの宗教の聖地について取り上げた回
■ユダヤ人の聖典
ユダヤ人は旧約聖書のみを聖典とする。
↓旧約聖書と新約聖書の違いについては過去記事が詳しい
過去記事では美豆良(ミズラ、ペイオト)を持つ埴輪を示した。また中国の史書における髪型の記述を掲載した。ここでは古事記に関するミズラの記述を紹介する。
■古墳時代のユダヤ人
中東、中央アジアに移り住んだユダヤ人を「ミズラヒム(またはミズラヒ)」という。こうして考えると、ミズラは中東からやってきたユダヤ人(その髪型のペイオト)を示していただろうか。
なお、
・群馬県太田市城西町のオクマン山古墳の鷹匠埴輪の人物、古墳は6世紀後半はユダヤ人と考えられる。
↓太田市のHPにて鷹匠の埴輪が画像で確認できる
オクマン山古墳出土の埴輪鷹匠 - 太田市ホームページ(文化財課)
また、千葉県山武郡横芝光町の芝山古墳・姫塚には多数のユダヤ人と思われる顔、帽子、服装、ペイオトをした埴輪が残る。
祭礼場面をあらわした埴輪群像があり、中心人物と考えられるユダヤ人が正座する女子の対面にあぐらをして坐る。祭礼の場面をあらわしていると考えられる。
↓過去記事にてペイオトや史書の髪型の記述を紹介した回
↓は芝山町立芝山古墳・はにわ博物館、ユダヤ人と思わしき武人が多数
■古事記の誓約にみられるミズラ
古事記では誓約のシーン、アマテラスとスサノオが天の安の河(天上界の川とされる)にて誓約を行う場面でミズラが登場する。
追放されることになったスサノオがことの次第を説明するために高天原にのぼる。
そのとき、山や、川、国土が震える。
アマテラスはこれを聴き、スサノオが高天原をのぼってくるのは善意のことではない、高天原をとろうとしているのではないかと思った。
そして御髪(みぐし)を解き、男性の髪型のミズラに結い替え、左右のミズラにも髪飾りにも左右の御手にも大きな勾玉を、多数紐に貫いた数珠上の玉を巻き付ける。そのシーンにてミズラが登場した。
※追放された理由は、スサノオは新羅遠征を行った理由によりアマテラスから高千穂峰の王朝から追放したとされる。
なお、アマテラス、スサノオ、そしてイザナミ、イザナギとも日本人である。
続いて、同じく誓約のシーンにて8柱の神々が誕生するシーン。
アマテラスがスサノオの腰につけた十拳の剣(とつかのつるぎ)を求める。
そしてその剣を三つ折りにし、折った剣を玉の音もさやかに響かせる。
まずは3人の女神が生まれる。
・タキリビメノミコト(多紀理毘賣命、またの名を沖津嶋比売命)
・イチキシマヒメノミコト(市寸島比賣命、またの名を狭依毘売命)
・タキツヒメノミコト(多岐津比賣命)
そしてつぎの5神が生まれる。
・アメノオシホミミ(天忍穂耳命)
・アメノホヒノミコト(天之菩卑能命)
・アマツヒコネノミコト(天津日子根命)
・イクツヒコネノミコト(活津日子根命)
・クマノクスビノミコト(熊野久湏毘命)
古事記はアメノオシホミミを左のみずらと関連させる。
また、アメノホヒノミコトを右のみずらと関連させた。
アメノホヒノミコトの後裔氏族には
・野見宿禰
・野見から土師氏
・土師氏から秋篠氏、菅原氏、大枝氏(後の大江氏)へ改姓
らがいる。
誓約のシーンは神との契約というほどではないが、アマテラスとスサノオとのエピソードを膨らませ、謎めかせながら創作したのかもしれない。
渡来年ははっきりしないがナフタリ族に関しては少なくとも西暦400年代の秦氏、あるいは神功皇后の時代よりは早いと思われる。淡路島およびその周辺のイスラエル古代遺跡や女陰を模した磐座の具体性(より抽象的になった女陰との対比による)を根拠とする。
<参考>
・新版 古事記 現代語訳付き 角川ソフィア文庫 中村啓信訳注
・面白いほどよくわかる ユダヤ世界のすべて
・社会実績データ図録 世界のユダヤ人人口:https://honkawa2.sakura.ne.jp/9038.html
・タルムード - Wikipedia
・口伝律法 - Wikipedia
・アメノオシホミミ - Wikipedia
・アメノホヒ - Wikipedia