シン・ニホンシ

日本の歴史を新しい視点でとらえ、検証し、新しい未来を考える

07.日本人の特徴、新しいものを受け入れて1を10へと昇華させる力

ここでは、日本人の受け入れて消化し1を10にする力とは。その歴史を4つ紹介します。

■西洋人の0から1をつくる力
西洋の人は、何もないところから研究、発明を重ねてつくる力に優れており、0を1にする力に優れていると言われています。例えば1760年頃に始まったとされる産業革命も、イギリスより始まりました。いまの日本の産業の根幹である車に関しても、もとはといえば1769年、フランスのニコラ・ジョセフ・キュニョーがに発明した蒸気機関が始まりです。産業に限らず、哲学、法学、経済学といった思想や学問も、ヨーロッパを始まりとしています。
■日本の新しいものを受け入れて消化、そして昇華する力
一方、日本は地政学的にユーラシア大陸の東でもあり、西洋から東洋へと文化や技術が流れ、それらを受け入れる終着地点となりやすいのかもしれません。また、海洋国家でもあることから、船によってモノやヒトの交流が盛んであったということもポイントなのでしょう。
そんな日本・日本人の特質である、新しいものを受け入れて、消化し、さらに改良して昇華させていくという特徴は、日本人の特質といってよいのではないでしょうか。
そんな受け入れの歴史の中で、その後の日本を変えた出来事を4つ紹介します。
■1.儒教の受け入れ
時代は513年頃とされています。諸説あります。仏教より少し早く問い入れています。
儒教の特徴である人間関係や上下関係的な心構えをもとに、日本の社会制度に取り入れ、その後の制度の骨格をなしました。創始者孔子です。紀元前552年(または紀元前551年)~紀元前479年の方です。ちなみに、日本に伝来するまでの所要時間はおよそ1000年です。
■2.仏教の取り入れ
時代は538年頃、欽明天皇の時代です。百済経由経由で伝わりました。創始者の釈迦は今から約2500年前に生まれました。生まれた時代は諸説あるようです。紀元前383年、紀元前485年、紀元前544年といくつかあります。日本に伝来するまでの所要時間はこちらも1000年かけ日本に伝わってきました。仏教の普及は聖徳太子、および聖武天皇の時代に中国より招かれた鑑真の貢献が大きいとされます。
■3.キリスト教の取り入れ
時代は1549年、スペイン出身のフランシスコザビエルが日本の鹿児島に渡来し、その後普及していきました。スペインやポルトガルの宣教師の伝道がありました。創始者イエス・キリストです。日本に伝来するまでの所要時間はイエス・キリストの誕生からいうと約1550年です。仏教が大衆の救済となっていない中、日本の権力者にとっては貿易・経済的メリットがありキリスト教の布教が許可されました。大衆にとっては、各地に教会・学校・病院・孤児院の建設を通し、人々を救うなど、草の根の慈善活動が行われたことが信仰のきっかけとなったようです。
■4.産業革命の取り入れ
列強諸国の進出を恐れ、明治維新後、日本を急速に近代化させました。政府に雇われ、日本の近代化を支えた外国人たちを「御雇外国人」と言います。御雇外国人は1872年(明治5年)の段階で378人。明治時代全体でのべ3000人と言われています。そのジャンルは鉄道、造船、農業、法学、教育などです。国籍はイギリス、フランス、ドイツ、アメリカなどです。例えばトーマスキンドル(イギリス)は金融。ヘルマン・ロエスエル(ドイツ)は大日本帝国憲法、商法の草案作成。ジョサイア・コンドル(イギリス)は建築です。

<参考>
・クアトロ・ラガッツィ