日本の総理・政権は独自路線をとるのか対米従属を行うかによって長期政権となるのか、短命に終わるかが決まってくるという。なぜ独自路線だと短命に終わるのだろうか。そして対米従属路線に対し鳩山総理、安倍総理が戦ったポイントを紹介する。まずは「バトンタッチ」を切り口とし、首相がどう選ばれているか、から入って本論へと展開していく。次の流れで紹介していく。
・安倍総理から菅(すが)総理へのバトンタッチのシーン
・内閣安全保障会議メンバーの重要性
・脱・対米従属内閣は短命
・対米自立志向を目指した鳩山由紀夫内閣
・対米従属外交と独自路線をバランスさせた安倍晋三内閣
・冷戦構造はまだ日本では終わっていない
・対米従属は慣性の法則か
■安倍総理から菅(すが)総理へのバトンタッチのシーン
第98代安倍総理から菅総理へのバトンタッチは、もりかけ問題のマスコミからの追及が再燃し菅総理へとバトンタッチした。
またこのときは、アメリカ大統領選においてトランプが再任か、バイデン(オバマ期の副大統領)のどちらとなるのかという時期でもあった。
オバマ期に官房長官を務めていた菅さんであればどちらの結果となっても外交上問題ない。
その後安倍総理復活もありうるとの判断で選ばれたと思われる。
■内閣安全保障会議メンバーの重要性
首相官邸直属の政策立案部門である。
2014年から創設された。
この組織によって首相の政策決定や政治的決断を補佐する。
私見としてだが2つの意味があると思う。
1つは官僚主導から政治主導を目指す意味合い。
2つ目は他国のインテリジェンス機関などによって国内意見が分離工作されているため、首相のトップダウンで意思決定をすることがしたい。
何らか政策を検討する際に早期の段階でマスコミ(妨害する組織)に情報をリークされて頓挫することを防ぐ意味があると思われる。
ちなみに現・岸田首相は第二次・第三次安倍政権期の外相であったため、この安全保障会議のメンバーであった。
外相、防衛相経験者でないと国を動かすリーダーになりにくい、国家機密を共有できないということもあると思われる。
■脱・対米従属内閣は短命
戦後の日本ではアメリカと協調する内閣と、そうでない内閣がある。
対米従属の場合は長期化する傾向がある。
そうでない場合は短命に終わる場合が多い。
例えばアメリカと協調した次の「吉田茂」「中曽根康弘」「小泉純一郎」「安倍晋三」らの内閣では長期政権となった。
一方、ソ連との国交正常化を行った「鳩山一郎」、アメリカ・レーガン大統領からの軍事協力要請を拒んだ「竹下登」、普天間基地移設を実現しようとした「鳩山由紀夫」らの内閣は短命となった。
■対米自立志向を目指した鳩山由紀夫内閣
鳩山一郎氏(第54代)は日ソ国交正常化を行った。
その孫にあたる鳩山由紀夫氏は普天間基地移設を掲げた。
その際、官僚からマスコミに対して情報をリークされ妨害されたとされる。
また官僚主導から政治主導への脱却をはかって挫折。
また「東アジア共同体構想(※構想自体は2002年小泉内閣が提唱)」は米国外しと警戒され、政権が崩壊するに至った。
■対米従属外交と独自路線をバランスさせた安倍晋三内閣
岸信介氏(第56代・57代)は日米安全保障条約の改定を行った。
その孫にあたる安倍晋三氏は「美しい国づくり」や「戦後レジームからの脱却」をスローガンとし改革を目指したが、米国との協調路線や国内意見への配慮に苦心した。
そのような中でも第一次内閣では「教育基本法」の改正にこぎつけた。
第二次内閣以降では「ファイブアイズ」との連携のための前段階として「特定秘密保護法」を制定した。
2016年5月には現職大統領となるバラク・オバマ氏を原子爆弾が投下された広島へ招いた。
また「自由で開かれたインド太平洋」「アジアの民主的安全保障ダイヤモンド」として日米印豪によるクアッドの連携を進めた。
このクアッドは、初めて日本主導でアメリカの戦略に組み込まれた例であり、歴史的な快挙となる。
■冷戦構造はまだ日本では終わっていない
米ソの冷戦は終わった。
しかしそれはヨーロッパ、東欧諸国のことでのことである。
ロシアの南下政策に関連した諸国、中国、台湾、北朝鮮、韓国、日本、ではまだ問題が残っている。
ゆえに、安易に米国からの脱却もできなければ、経済面などで中国との連携を優先もできず、バランスが求められる。
さらにはGHQが残した自虐思想をどう解除するのか、警察予備隊として始まった自衛隊、つまりホワイトリスト(やっていいことを規定したルールだらけの自衛隊)でオペレーションする自衛隊で緊急事態が起きたときどう指揮するのかという課題も残る。
■対米従属は慣性の法則か
首相が独自路線を取ろうとすると諸外国、国内の官僚、マスコミからの妨害がある。
内閣を改造したり、短命で終えたりという結果は、政治家の防衛策の結果なのであろうか。「従来通り」で走り続けよう「慣性の法則」を超えて、改革を行う首相には並々ならぬ覚悟、エネルギーが必要なのだろう。
以上、対米従属路線と戦った鳩山総理、安倍総理を取りあげた。
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<参考>
・歴代内閣 | 首相官邸ホームページ
・14歳から知る日本戦後政治史
・誰がこの国を動かしているのか
・日本人だけが知らなかった「安倍晋三」の真実
・美しい国へ 完全版
・鳩山一郎 - Wikipedia
・鳩山由紀夫 - Wikipedia
・岸信介総裁時代 | 歴代総裁 | 党のあゆみ | 自民党について | 自由民主党